会計ソフトや勤怠管理、SFA/CRMといった業務システムの選定を、検索エンジンではなく生成AIに直接たずねる担当者が増えています。では、ChatGPTやGeminiをはじめとする生成AIは、「おすすめのSaaSは?」と聞かれたとき、実際にどのサービスの名前を挙げているのでしょうか。
AI検索最適化(LLMO/AIO/GEO/AEO)支援サービス「AI検索パートナーズ」(TechSuite株式会社)では、主要7つの生成AI(ChatGPT・Gemini・Perplexity・Microsoft Copilot・Claude・Google AI Overviews・Google AI Mode)に対し、法人向け業務システムの選定に関して実際に検索される質問を投げかけ、AIの回答140件を実測しました。本記事では、その集計から見えてきた業界全体の傾向を紹介します。なお本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定サービスの推奨や品質の保証を目的とするものではありません。
この実測調査からわかったことは、次のとおりです。
- カテゴリごとに「定番」が固定化しており、上位3〜4サービスがほぼ全回答に登場する。
- 「選び方全般」の質問では集中が弱まり、登場率はどれも2割前後にとどまる。
- AIはSaaS名を積極的に列挙し、1回答あたり平均3〜5サービスを挙げる。
- AIが根拠とする情報源は約94%が第三者メディアで、SaaS比較・レビューサイトが中心。
調査の概要(対象AI・質問・集計方法)
本調査は、法人向け業務システム(BtoB SaaS)の選定に関して実際に検索されるような質問を主要7つの生成AIに投げかけ、AIが生成した回答を記録・集計したものです。BtoB SaaSは用途ごとに市場が分かれるため、業界全体を一つの順位にまとめず、カテゴリごとに独立して集計しています。数値はいずれも2026年9月時点のものであり、AIの回答は時点やモデル更新によって変動します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | AI検索パートナーズ(TechSuite株式会社) |
| 対象AI | ChatGPT/Gemini/Perplexity/Microsoft Copilot/Claude/Google AI Overviews/Google AI Mode(主要7種) |
| 対象テーマ | 法人向け業務システム(BtoB SaaS)の選定に関して実際に検索される質問 |
| 集計対象 | 各AIが生成した回答 140件(20クエリ) |
| 調査時点 | 2026年9月 |
| 集計単位 | 会計・勤怠・請求書・経費・SFA・CRM・MA・電子契約・選定一般のカテゴリ別に独立集計 |
| 位置づけ | AIが生成した回答の記録に基づく集計(特定サービスの推奨・品質保証ではありません) |
カテゴリごとに、定番が固定化していた
BtoB SaaSは会計・勤怠・請求書・経費・SFA/CRM・MA・電子契約と、用途ごとに市場が分かれます。そのため本調査では、業界全体を一つの順位にまとめず、カテゴリごとに独立して集計しました。
すると、どのカテゴリでも同じ構図が現れました。上位3〜4サービスがほぼ全回答に登場し、それ以外は急激に登場率が下がります。カテゴリによっては、上位サービスの登場率が100%——つまりそのカテゴリの質問には必ず名前が出る、という状態でした。
カテゴリ内の「定番枠」に入れているかどうかが、AI上の可視性をほぼ決めている、というのがこの業界の実態です。各カテゴリの具体的なサービス名や登場率は、記事末尾の詳細版レポートにまとめています。
「選び方全般」を聞かれると、集中は弱まる
一方で、「SaaSの選び方」「導入で失敗しないコツ」といったカテゴリを特定しない質問では、様子が変わります。特定サービスへの集中が弱まり、登場率はどれも2割前後にとどまりました。
この層で名前が挙がるのは、複数カテゴリを手がけるカテゴリ横断型の大手です。カテゴリ指定時の8〜10割と比べると格段に低い数字で、検討初期には横断的な大手が薄く挙がる程度、カテゴリが具体化して初めて各分野の定番が濃く登場する、という構造が見てとれます。
AIはSaaS名を積極的に列挙する
固有名を挙げる姿勢も、この業界は特徴的でした。7つのAIすべてが高い割合で具体名を提示しました。最も高いAIで85.0%、最も低いAIでも65.0%で、1回答あたり平均3〜5サービスを列挙します。他業界では固有名を避ける傾向が強かったPerplexityも、この領域では80.0%とためらいなく名前を挙げていました。
平均3〜5サービスが並ぶということは、上位群に入れば露出は取りやすいということでもあります。ただし裏を返せば、その並びから外れると全く挙がりません。
AIは何を根拠にしているのか
AIが根拠として引用していた情報源は、約94%が第三者メディアでした。公式サイトは約5%にとどまります。
しかも上位に並んでいたのは、SaaS比較サイトや口コミ・レビューサイトです。これらの比較メディアに掲載され、上位で紹介されているかどうかが、AI上の露出に直結している可能性が高い領域といえます。公式サイトの整備だけでは、AIの根拠に入りにくい構造です。
まとめ:AI上の可視性は、これからの情報発信の前提になる
今回の実測からは、(1)カテゴリごとに定番サービスが固定化していること、(2)選び方全般の質問では集中が弱まり横断型の大手が挙がること、(3)AIはSaaS名を積極的に列挙すること、(4)AIの根拠はSaaS比較・レビューメディアが約94%を占めること、が見えてきました。
業務システム選定の入り口がAIに移りつつある今、自社サービスがAI上でどう扱われているかを把握することは、これからの情報発信の出発点になります。
詳細版レポート(無料ダウンロード)
本記事で触れた内容の詳細版として、以下を収録したレポートを配布しています。
- カテゴリ別のAI登場率ランキング(全サービス)
- 潜在層(選び方全般)の質問での上位サービス
- 主要7AIごとの比較(どのAIがどれだけサービス名を挙げるか)
- 引用元ドメインのランキング
本調査に関する注記
- 本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定企業の推奨や品質の保証ではありません。
- AIの回答は時点やモデル更新により変動します。本記事の数値・傾向は2026年9月時点のものです。
- 各サービスの具体的な登場率・順位・引用元ドメインなどの詳細は、詳細版レポートに収録しています。



