スタートアップの経営者や中小企業の経営者、事業承継を控えた経営者などが、法人保険や保険代理店選びについて検索エンジンではなく生成AIに直接たずねる場面が増えています。では、ChatGPTをはじめとする生成AIは、「法人保険代理店はどこがいい?」「企業向け生命保険を比較したい」と聞かれたとき、実際にどの会社・代理店の名前を挙げているのでしょうか。
AI検索最適化(LLMO/AIO/GEO/AEO)支援サービス「AI検索パートナーズ」(TechSuite株式会社)では、主要3つの生成AI(ChatGPT・Google AI Overviews・Microsoft Copilot)に対し、法人保険・企業向け生命保険・法人向け保険代理店の比較検討に関して実際に検索される質問を投げかけ、AIの回答72件を実測しました。本記事では、その集計から見えてきた業界全体の傾向を紹介します。なお本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の保険会社・保険代理店の推奨や品質の保証を目的とするものではありません。
この実測調査からわかったことは、次のとおりです。
- 大手乗合代理店系のサービス(登場率22.2%)と中小企業特化型の生命保険会社(同19.4%)がやや先行する一方、観測された会社・代理店は95にのぼり、上位5社でものべ言及の29.2%にとどまる。
- 質問者の立場(ペルソナ)によって上位の会社・代理店が大きく入れ替わる。
- 固有名を挙げる割合はAIによって75.0%〜87.5%と異なる。
- AIが根拠とする情報源は約63%が会社・代理店自身の公式サイトで、比較・マッチングメディアも約26%を占める。
調査の概要(対象AI・質問・集計方法)
本調査は、法人保険・企業向け生命保険・法人向け保険代理店の比較検討に関して実際に検索されるような質問を主要3つの生成AIに投げかけ、AIが生成した回答を記録・集計したものです。質問は、スタートアップの経営者、中小企業の経営者、事業承継を控えた経営者など、複数のペルソナを想定して設計しています。集計対象や時点は次のとおりです。数値はいずれも2026年10月時点のものであり、AIの回答は時点やモデル更新によって変動します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | AI検索パートナーズ(TechSuite株式会社) |
| 対象AI | ChatGPT / Google AI Overviews / Microsoft Copilot(主要3種) |
| 対象テーマ | 法人保険・企業向け生命保険・法人向け保険代理店の比較検討に関して実際に検索される質問 |
| 集計対象 | 各AIが生成した回答 72件(24クエリ) |
| 調査時点 | 2026年10月 |
| 位置づけ | AIが生成した回答の記録に基づく集計(特定会社・代理店の推奨・品質保証ではありません) |
AIが名前を挙げる保険会社・代理店は、緩やかな集中と広い裾野が共存していた
まず見えたのは、突出した1社が不在のまま、緩やかな集中と広い裾野が共存する構造です。最も多く名前が挙がったのは大手乗合代理店系のサービスで、全72回答の22.2%に登場しました。僅差で、中小企業経営者向けに特化した生命保険会社が19.4%で続きます。一方で回答に登場した保険会社・保険代理店は95にのぼり、上位5社(大手乗合代理店1社、中小企業特化型の生命保険会社2社、大手損保グループ系の生命保険・損害保険各1社)でも、のべ言及の29.2%にとどまりました。
興味深いのは、首位のサービスでも登場率が22.2%にとどまる点です。「法人保険代理店」と一括りにされがちなこの領域でも、AIが思い浮かべる相談先は一様ではなく、業界内で圧倒的な想起集中先が存在しないことがうかがえます。各社の具体的な登場率・順位は、記事末尾の詳細版レポートにまとめています。
質問者の立場が変わると、AIが挙げる会社・代理店も大きく変わる
質問者の立場(ペルソナ)を変えると、上位の顔ぶれは大きく入れ替わりました。「中小企業の経営者」という設定の質問では大手乗合代理店系サービスと中小企業特化型の生命保険会社が上位を占め、「スタートアップの経営者」向けの質問では中小企業特化型の生命保険会社に加え、大手損保グループ・大手生命保険会社が上位に並びました。
「事業承継を控えた経営者」向けの質問では、事業承継・代理店M&A支援を前面に出す専門会社が3社そろって上位に並び、他のペルソナとは異なる顔ぶれとなりました。質問者の企業フェーズ・課題と会社の専門領域の一致度が、AIの提示結果に強く影響しているように見えます。
AIは何を根拠にしているのか
AIが根拠として引用していた情報源は、約63%が会社・代理店自身の公式サイトで、比較・マッチングメディアも約26%、公的機関・業界団体も約7%を占めました。
これは他の士業・専門サービス領域の調査結果とも共通する傾向です。会社・代理店自身が発信する情報がAIの回答の根拠として重視される一方、AIによって頼る比較メディアの顔ぶれが大きく異なり、特にあるAIでは、引用元URLのうち4割近くがわずか2つの比較メディアに集中する結果も見られました。自社サイトの情報発信の充実と合わせて、こうした外部の比較メディアへの掲載状況も無視できない要素だと考えられます。
まとめ:AI上の可視性は、これからの情報発信の前提になる
今回の実測からは、(1)突出した1社が不在のまま緩やかな集中と広い裾野が共存すること、(2)質問者の立場によって上位の顔ぶれが大きく変わること、(3)固有名を挙げる姿勢がAIによって大きく異なること、(4)AIの根拠は会社・代理店自身の公式サイトが中心でありながら比較メディアも一定の存在感を持つこと、が見えてきました。
法人保険・保険代理店選びの入り口がAIに移りつつある今、自社がAI上でどう扱われているかを把握し、自社サイトの情報発信を整えることは、これからの営業・広報活動の出発点になります。
詳細版レポート(無料ダウンロード)
本記事で触れた内容の詳細版として、以下を収録したレポートを配布しています。
- 保険会社・保険代理店別のAI登場率ランキング(全95社)
- 質問者の立場(ペルソナ)別の上位会社・代理店
- 主要3AIごとの比較(どのAIがどの会社・代理店を挙げるか)
- 引用元ドメインのランキング
- 計測した全プロンプト(全24件)
本調査に関する注記
- 本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の保険会社・保険代理店の推奨や品質の保証ではありません。
- AIの回答は時点やモデル更新により変動します。本記事の数値・傾向は2026年10月時点のものです。
- 各社・各代理店の具体的な登場率・順位・引用元ドメインなどの詳細は、詳細版レポートに収録しています。



