シード期のスタートアップ経営者や、シリーズA以降の経営者、融資による資金調達を考える経営者などが、VC(ベンチャーキャピタル)や融資支援会社、資金調達コンサル選びについて検索エンジンではなく生成AIに直接たずねる場面が増えています。では、ChatGPTをはじめとする生成AIは、「資金調達に強いVCはどこ?」「融資支援会社を比較したい」と聞かれたとき、実際にどの会社の名前を挙げているのでしょうか。
AI検索最適化(LLMO/AIO/GEO/AEO)支援サービス「AI検索パートナーズ」(TechSuite株式会社)では、主要3つの生成AI(ChatGPT・Google AI Overviews・Microsoft Copilot)に対し、VC・融資支援・資金調達コンサルの比較検討に関して実際に検索される質問を投げかけ、AIの回答72件を実測しました。本記事では、その集計から見えてきた業界全体の傾向を紹介します。なお本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の会社の推奨や品質の保証を目的とするものではありません。
この実測調査からわかったことは、次のとおりです。
- 最も多く名前が挙がった外資色の強い独立系VC(登場率12.5%)でも1割強にとどまり、観測された会社は105社にのぼるなど、突出した1社がいない極めて裾野の広いロングテール構造。
- 質問者の立場(シード期か、シリーズA以降か、融資を検討しているか)によって上位の会社が大きく入れ替わる。
- AIが根拠とする情報源は約43%が会社自身の公式サイトで、比較・マッチングポータルやメディアも約40%とほぼ同水準を占める。
調査の概要(対象AI・質問・集計方法)
本調査は、VC・融資支援・資金調達コンサルの比較検討に関して実際に検索されるような質問を主要3つの生成AIに投げかけ、AIが生成した回答を記録・集計したものです。質問は、シード期のスタートアップ経営者、シリーズA以降の経営者、融資による資金調達を考える経営者、エクイティでの資金調達を検討している経営者など、複数のペルソナを想定して設計しています。集計対象や時点は次のとおりです。数値はいずれも2026年10月時点のものであり、AIの回答は時点やモデル更新によって変動します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | AI検索パートナーズ(TechSuite株式会社) |
| 対象AI | ChatGPT / Google AI Overviews / Microsoft Copilot(主要3種) |
| 対象テーマ | VC・融資支援・資金調達コンサルの比較検討に関して実際に検索される質問 |
| 集計対象 | 各AIが生成した回答 72件(24クエリ) |
| 調査時点 | 2026年10月 |
| 位置づけ | AIが生成した回答の記録に基づく集計(特定会社の推奨・品質保証ではありません) |
AIが名前を挙げるVC・融資支援会社は、突出した1社がいないロングテール構造だった
まず見えたのは、集中度の低さと、極めて広い裾野の共存です。最も多く名前が挙がったのは、J-KISS契約の普及を主導したことで知られる外資色の強い独立系VCで、全72回答の12.5%に登場しました。僅差で、国内独立系のシード特化VC、スタートアップ特化型の資金調達支援会社、銀行融資の代行に特化したコンサル会社が11.1%で続きます。一方で回答に登場した会社は105社にのぼり、上位5社を合計しても、のべ言及の19.0%にとどまりました。
首位でも登場率が1割強という水準は、他の士業・コンサル系業界の調査と比べても集中度が低く、シード投資からシリーズA以降の資金調達、銀行融資の代行まで支援領域が幅広く分かれている業界特有の構造がうかがえます。各社の具体的な登場率・順位は、記事末尾の詳細版レポートにまとめています。
質問者の立場が変わると、AIが挙げる会社も大きく変わる
質問者の立場(ペルソナ)を変えると、上位の顔ぶれは大きく入れ替わりました。「シード期のスタートアップ経営者」という設定の質問では、国内独立系のシード特化VCと外資色の強い独立系VCがともに33.3%で並んで最多となりました。一方、「シリーズA以降の経営者」向けの質問ではスタートアップ特化型の資金調達支援会社が38.9%で突出しました。
「融資による資金調達を考える経営者」向けの質問では、大手総合経営コンサルティング会社や、元政府系金融機関出身者による融資コンサルが16.7%で最多となり、エクイティ調達を主眼に置く質問とは全く異なる顔ぶれが上位に来ました。質問者が求める資金調達手段(エクイティかデットか)やステージと、会社の専門領域の一致度が、AIの提示結果に強く影響しているように見えます。
AIは何を根拠にしているのか
AIが根拠として引用していた情報源は、約43%が会社自身の公式サイトで、比較・マッチングポータルやメディアも約40%とほぼ同水準を占めました。公的機関・業界団体も約11%の存在感を持ちました。
これは他の士業・コンサル領域の調査結果とも共通する傾向です。会社自身が発信する情報がAIの回答の根拠として重視される一方、比較メディアの存在感が他の業界調査より大きい点は、VC・融資支援・資金調達コンサルという業界特有の傾向だと考えられます。自社サイトの情報発信の充実と合わせて、こうした比較メディアへの掲載状況も無視できない要素です。
まとめ:AI上の可視性は、これからの情報発信の前提になる
今回の実測からは、(1)突出した1社がいない極めて裾野の広いロングテール構造であること、(2)質問者の立場(資金調達の手段・ステージ)によって上位の顔ぶれが大きく変わること、(3)AIの根拠は会社自身の公式サイトと比較メディアがほぼ拮抗していること、が見えてきました。
VC・融資支援会社・資金調達コンサル選びの入り口がAIに移りつつある今、自社がAI上でどう扱われているかを把握し、自社サイトの情報発信を整えることは、これからの営業・広報活動の出発点になります。
詳細版レポート(無料ダウンロード)
本記事で触れた内容の詳細版として、以下を収録したレポートを配布しています。
- VC・融資支援会社・資金調達コンサル別のAI登場率ランキング(全105社)
- 質問者の立場別の上位会社
- 主要3AIごとの比較(どのAIがどの会社を挙げるか)
- 引用元ドメインのランキング
- 計測した全プロンプト(24件)
本調査に関する注記
- 本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定のVC・融資支援会社・資金調達コンサルの推奨や品質の保証ではありません。
- AIの回答は時点やモデル更新により変動します。本記事の数値・傾向は2026年10月時点のものです。
- 各社の具体的な登場率・順位・引用元ドメインなどの詳細は、詳細版レポートに収録しています。


