EC事業者やSaaS企業の経営者、経理担当者が、決済代行会社やオンライン決済サービス選びについて検索エンジンではなく生成AIに直接たずねる場面が増えています。では、ChatGPTをはじめとする生成AIは、「おすすめの決済代行サービスはどこ?」「クレジットカード決済の導入会社を比較したい」と聞かれたとき、実際にどの会社の名前を挙げているのでしょうか。
AI検索最適化(LLMO/AIO/GEO/AEO)支援サービス「AI検索パートナーズ」(TechSuite株式会社)では、主要3つの生成AI(ChatGPT・Google AI Overviews・Microsoft Copilot)に対し、決済代行会社・オンライン決済サービスの比較検討に関して実際に検索される質問を投げかけ、AIの回答72件を実測しました。本記事では、その集計から見えてきた業界全体の傾向を紹介します。なお本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の会社の推奨や品質の保証を目的とするものではありません。
この実測調査からわかったことは、次のとおりです。
- 上位2社(総合型の大手決済代行会社と通信系大手グループの決済代行会社)が同率首位で登場率58.3%。上位5社でのべ言及の61.3%を占める上位集中型で、観測された会社は28社。
- 質問者の立場(EC事業者か、SaaS企業の経営者か、経理担当者か)によって上位の会社が大きく入れ替わる。
- AIが根拠とする情報源は約54%が決済事業者自身の公式サイトで、比較・情報メディアも約34%を占める。
調査の概要(対象AI・質問・集計方法)
本調査は、決済代行会社・オンライン決済サービスの比較検討に関して実際に検索されるような質問を主要3つの生成AIに投げかけ、AIが生成した回答を記録・集計したものです。質問は、EC事業者、SaaS企業の経営者、経理担当者などの複数のペルソナを想定して設計しています。集計対象や時点は次のとおりです。数値はいずれも2026年10月時点のものであり、AIの回答は時点やモデル更新によって変動します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | AI検索パートナーズ(TechSuite株式会社) |
| 対象AI | ChatGPT / Google AI Overviews / Microsoft Copilot(主要3種) |
| 対象テーマ | 決済代行会社・オンライン決済サービスの比較検討に関して実際に検索される質問 |
| 集計対象 | 各AIが生成した回答 72件(24クエリ) |
| 調査時点 | 2026年10月 |
| 位置づけ | AIが生成した回答の記録に基づく集計(特定会社の推奨・品質保証ではありません) |
AIが名前を挙げる決済代行会社は、上位2社に言及が集まる上位集中型だった
まず見えたのは、上位への集中と、領域別の裾野の共存です。最も多く名前が挙がったのは、EC向けを中心に幅広い決済手段を扱う総合型の大手決済代行会社と、通信系大手グループ傘下の決済代行会社で、ともに全72回答の58.3%に登場しました。続いて、グローバルに展開するAPI型のオンライン決済プラットフォームが44.4%、店舗・小規模事業者にも強い決済サービスが37.5%、サブスク・継続課金に特化した決済代行会社が27.8%で並びます。回答に登場した会社は28社にのぼり、上位5社でのべ言及の61.3%を占めました。
一方で、8社は1回答のみの登場にとどまり、EC特化型、SaaS向けのAPI型、BtoB掛け払い型、店舗向けなど、領域ごとに異なる会社が挙がっています。各社の具体的な登場率・順位は、記事末尾の詳細版レポートにまとめています。
質問者の立場が変わると、AIが挙げる会社も大きく変わる
質問者の立場(ペルソナ)を変えると、上位の顔ぶれは大きく入れ替わりました。「EC事業者」という設定の質問では、総合型の大手決済代行会社が77.8%、通信系大手グループの決済代行会社が74.1%と突出し、EC特化型の決済代行会社も48.1%で続きました。
一方、「SaaS企業の経営者」向けの質問ではグローバル展開のAPI型決済プラットフォームが90.5%で突出し、国内SaaS・API重視の決済サービスやサブスク特化型の決済代行会社が続きました。「経理担当者」向けの質問では、総合型の大手決済代行会社と通信系大手グループの決済代行会社が各66.7%で並んでいます。質問者の事業モデルと、会社の強みの一致度が、AIの提示結果に強く影響しているように見えます。
AIごとに、挙げる会社の型が違う
挙がる会社の型はAIによって異なります。API型のオンライン決済プラットフォームはChatGPTで70.8%登場する一方、Microsoft Copilotでは29.2%でした。サブスク特化型の決済代行会社はMicrosoft Copilotで54.2%登場する一方、ChatGPTでは0.0%です。どのAIを重視するかによって、最適化の力点が変わってきます。
AIは何を根拠にしているのか
AIが根拠として引用していた情報源は、約54%が決済事業者自身の公式サイトで、比較・情報メディアが約34%、業界団体・金融機関が約6%でした。
AIごとに見ると、ChatGPTは各社の公式サイトの料金ページなどを中心に引用し、Microsoft Copilotは比較記事を中心に引用するなど、根拠の置き方にも違いがあります。自社サイトで料金・機能・導入事例を分かりやすく公開することに加えて、比較メディアへの掲載状況も無視できない要素です。
まとめ:AI上の可視性は、これからの情報発信の前提になる
今回の実測からは、(1)上位2社に言及が集まりつつ領域別の裾野も広い構造であること、(2)質問者の立場(事業モデル)によって上位の顔ぶれが大きく変わること、(3)挙げる会社の型がAIによって大きく異なること、(4)AIの根拠は決済事業者自身の公式サイトが半数超で、比較メディアが続くこと、が見えてきました。
決済代行会社・オンライン決済サービス選びの入り口がAIに移りつつある今、自社がAI上でどう扱われているかを把握し、自社サイトの情報発信を整えることは、これからの営業・広報活動の出発点になります。
詳細版レポート(無料ダウンロード)
本記事で触れた内容の詳細版として、以下を収録したレポートを配布しています。
- 決済代行会社・オンライン決済サービス別のAI登場率ランキング(全28社)
- 質問者の立場別の上位会社
- 主要3AIごとの比較(どのAIがどの会社を挙げるか)
- 引用元ドメインのランキング
- 計測した全プロンプト(24件)
本調査に関する注記
- 本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の決済代行会社・オンライン決済サービスの推奨や品質の保証ではありません。
- AIの回答は時点やモデル更新により変動します。本記事の数値・傾向は2026年10月時点のものです。
- 各社の具体的な登場率・順位・引用元ドメインなどの詳細は、詳細版レポートに収録しています。


