製薬会社の開発担当者や医療機器メーカーの臨床開発担当者が、CRO(治験受託機関)や治験支援会社選びについて検索エンジンではなく生成AIに直接たずねる場面が増えています。では、ChatGPTをはじめとする生成AIは、「おすすめの治験受託機関はどこ?」「医療機器の臨床試験を委託したい」と聞かれたとき、実際にどの会社の名前を挙げているのでしょうか。
AI検索最適化(LLMO/AIO/GEO/AEO)支援サービス「AI検索パートナーズ」(TechSuite株式会社)では、主要3つの生成AI(ChatGPT・Google AI Overviews・Microsoft Copilot)に対し、CRO・治験支援会社の比較検討に関して実際に検索される質問を投げかけ、AIの回答72件を実測しました。本記事では、その集計から見えてきた業界全体の傾向を紹介します。なお本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の会社の推奨や品質の保証を目的とするものではありません。
この実測調査からわかったことは、次のとおりです。
- 上位2社(いずれも内資系大手の総合型CRO)が同率首位で登場率90.3%。上位5社でのべ言及の61.0%を占める上位集中型で、観測された会社は37社。
- 質問者の立場(製薬会社の開発担当者か、医療機器メーカーの臨床開発担当者か)によって上位の会社が入れ替わる。
- AIが根拠とする情報源は約42%がCRO比較・情報メディアで、CRO・関連企業の自社サイトが約35%、業界団体・行政・学術が約16%を占める。
調査の概要(対象AI・質問・集計方法)
本調査は、CRO・治験支援会社の比較検討に関して実際に検索されるような質問を主要3つの生成AIに投げかけ、AIが生成した回答を記録・集計したものです。質問は、製薬会社の開発担当者、医療機器メーカーの臨床開発担当者などの複数のペルソナを想定して設計しています。集計対象や時点は次のとおりです。数値はいずれも2026年11月時点のものであり、AIの回答は時点やモデル更新によって変動します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | AI検索パートナーズ(TechSuite株式会社) |
| 対象AI | ChatGPT / Google AI Overviews / Microsoft Copilot(主要3種) |
| 対象テーマ | CRO・治験支援会社の比較検討に関して実際に検索される質問 |
| 集計対象 | 各AIが生成した回答 72件(24クエリ) |
| 調査時点 | 2026年11月 |
| 位置づけ | AIが生成した回答の記録に基づく集計(特定会社の推奨・品質保証ではありません) |
AIが名前を挙げるCROは、上位2社に言及が集まる上位集中型だった
まず見えたのは、上位への集中と、領域別の裾野の共存です。最も多く名前が挙がったのは、医薬品・医療機器の双方に対応する内資系大手の総合型CRO2社で、ともに全72回答の90.3%に登場しました。続いて、グローバルに展開する外資系大手のCROが73.6%、別の外資系大手CROが37.5%と36.1%、ヘルスケア領域に広く展開する内資系グループが33.3%で並びます。回答に登場した会社は37社にのぼり、上位5社でのべ言及の61.0%を占めました。
一方で、19社は1回答のみの登場にとどまり、医療機器に強い中堅CRO、医療機器コンサルティング会社、グローバル中堅CROなど、領域ごとに異なる会社が挙がっています。各社の具体的な登場率・順位は、記事末尾の詳細版レポートにまとめています。
質問者の立場が変わると、AIが挙げる会社も変わる
質問者の立場(ペルソナ)を変えると、上位の顔ぶれは入れ替わりました。「製薬会社の開発担当者」という設定の質問では、内資系大手の総合型CRO2社が90%前後、外資系大手CROが74.1%で並んだ後、別の外資系大手CROが63.0%、製薬系・非臨床系の流れをくむCROが48.1%で続きました。
一方、「医療機器メーカーの臨床開発担当者」向けの質問では、同じ大手3社に続いて、医療機器に強い中堅の内資系CROが35.9%で4位に入りました。このCROは製薬会社の開発担当者向けの質問では0.0%で、外資系大手CROや製薬系のCROは医療機器向けの質問では大きく順位を下げています。質問者の開発対象(医薬品か医療機器か)と、会社の強みの一致度が、AIの提示結果に影響しているように見えます。
AIごとに、挙げる会社の型が違う
挙がる会社の型もAIによって異なります。ヘルスケア領域に広く展開する内資系グループはMicrosoft Copilotで75.0%登場する一方、Google AI Overviewsでは8.3%でした。外資系大手CROの1社はChatGPTで58.3%登場する一方、Google AI Overviewsでは12.5%です。どのAIを重視するかによって、最適化の力点が変わってきます。
AIは何を根拠にしているのか
AIが根拠として引用していた情報源は、約42%がCRO比較・情報メディアで、CRO・関連企業の自社サイトが約35%、業界団体・行政・学術が約16%でした。
AIごとに見ると、ChatGPTは各社の自社サイトと業界団体の情報を中心に引用し、Google AI OverviewsとMicrosoft Copilotは比較・情報メディアを中心に引用するなど、根拠の置き方にも違いがあります。自社サイトで実績・対応領域・費用の考え方を分かりやすく公開することに加えて、比較メディアや業界団体での掲載状況も無視できない要素です。
まとめ:AI上の可視性は、これからの情報発信の前提になる
今回の実測からは、(1)上位2社に言及が集まりつつ領域別の裾野も広い構造であること、(2)質問者の立場(開発対象)によって上位の顔ぶれが変わること、(3)挙げる会社の型がAIによって異なること、(4)AIの根拠はCRO比較・情報メディアが最多で、自社サイトと業界団体が続くこと、が見えてきました。
CRO・治験支援会社選びの入り口がAIに移りつつある今、自社がAI上でどう扱われているかを把握し、自社サイトの情報発信を整えることは、これからの営業・広報活動の出発点になります。
詳細版レポート(無料ダウンロード)
本記事で触れた内容の詳細版として、以下を収録したレポートを配布しています。
- CRO・治験支援会社別のAI登場率ランキング(全37社)
- 質問者の立場別の上位会社
- 主要3AIごとの比較(どのAIがどの会社を挙げるか)
- 引用元ドメインのランキング
- 計測した全プロンプト(24件)
本調査に関する注記
- 本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定のCRO・治験支援会社の推奨や品質の保証ではありません。
- AIの回答は時点やモデル更新により変動します。本記事の数値・傾向は2026年11月時点のものです。
- 各社の具体的な登場率・順位・引用元ドメインなどの詳細は、詳細版レポートに収録しています。


