オフィス移転や新規出店にともなう内装工事会社選びを、検索エンジンではなく生成AIに直接たずねる担当者が増えています。では、ChatGPTをはじめとする生成AIは、「オフィス・店舗の内装業者はどこがいい?」と聞かれたとき、実際にどんな会社の名前を挙げているのでしょうか。
AI検索最適化(LLMO/AIO/GEO/AEO)支援サービス「AI検索パートナーズ」(TechSuite株式会社)では、主要3つの生成AI(ChatGPT・Google AI Overviews・Microsoft Copilot)に対し、店舗開発担当者・総務担当者・新規出店を控えた小売企業の担当者などを想定した質問を投げかけ、AIの回答72件を実測しました。本記事では、その集計から見えてきた業界全体の傾向を紹介します。なお本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の内装工事会社の推奨や品質の保証を目的とするものではありません。また、個別の会社名は本記事では伏せ、事業の型(ポジショニング)で紹介しています。
この実測調査からわかったことは、次のとおりです。
- 最も登場率が高かったのは店舗デザインに特化した中堅企業(登場率16.7%)だが、観測された会社・事業者は99社にのぼり、上位5社でものべ言及の24.9%にとどまる。
- 質問者の立場(オフィス系か店舗系か)によって、上位に来る会社の「型」が入れ替わる。
- 固有名を挙げる割合はAIによって66.7%〜87.5%と異なり、挙げ方の性質もAIごとに違う。
- AIが根拠とする情報源の9割超が比較メディアなど第三者サイトで、内装会社自身の公式サイトは1割未満にとどまる。
調査の概要(対象AI・質問・集計方法)
本調査は、店舗・オフィス内装工事会社の比較検討に関して実際に検索されるような質問を主要3つの生成AIに投げかけ、AIが生成した回答を記録・集計したものです。質問は、店舗開発担当者、総務担当者、新規出店を控えた小売企業の担当者など、複数のペルソナを想定して設計しています。集計対象や時点は次のとおりです。数値はいずれも2026年9月時点のものであり、AIの回答は時点やモデル更新によって変動します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | AI検索パートナーズ(TechSuite株式会社) |
| 対象AI | ChatGPT / Google AI Overviews / Microsoft Copilot(主要3種) |
| 対象テーマ | 店舗・オフィス内装工事会社の比較検討に関して実際に検索される質問 |
| 集計対象 | 各AIが生成した回答 72件(24クエリ) |
| 調査時点 | 2026年10月 |
| 位置づけ | AIが生成した回答の記録に基づく集計(特定会社の推奨・品質保証ではありません) |
AIが名前を挙げる会社は、ごく一部の上位と広大な裾野に分かれていた
まず見えたのは、上位への軽い集中と、極めて広い裾野の共存です。最も多く名前が挙がったのは店舗デザインに特化した中堅企業で、全72回答の16.7%に登場しました。僅差で、総合ディスプレイ・空間デザインを手がける大手企業が13.9%で続きます。一方で回答に登場した会社・事業者は99社にのぼり、上位5社を合計しても、のべ言及の24.9%にとどまりました。
特に目を引いたのは、ChatGPTの回答の多くが、全国的に知られた大手ではなく、質問の文脈から推定される地域の個別事業者を具体的に列挙していた点です。地図データをそのまま引用しているとみられる回答もあり、「AIに名前が挙がるかどうか」は必ずしも全国的な知名度だけで決まらないことがうかがえます。各社の具体的な登場率や順位は、記事末尾の詳細版レポートにまとめています。
「オフィス系」か「店舗系」かで、AIが挙げる会社の型が変わる
質問者の立場を変えると、上位に来る会社の型がはっきりと入れ替わりました。「総務担当者」という設定の質問では、オフィス移転・オフィスデザインを専業とする会社が上位に立ちました。一方、「店舗開発担当者」「新規出店を控えた小売企業の担当者」向けの質問では、店舗デザイン特化の中堅企業や、商業施設・ディスプレイを手がける大手企業が上位に来ました。
質問者の職種・業態(オフィスの内装を考えているのか、店舗の内装を考えているのか)と、会社の専門領域の一致度が、AIの提示結果に強く影響しているように見えます。
AIごとに、「実名を出すか」の姿勢と挙げ方が違う
固有名を挙げる姿勢には、AI間で差がありました。Microsoft Copilotは87.5%の回答で何らかの会社名を提示し、1回答あたり平均3.50社を挙げました。ChatGPTも75.0%と高水準でしたが、その多くは全国区の会社ではなく地域限定の個別事業者です。Google AI Overviewsは66.7%・平均2.25社にとどまりました。
Microsoft CopilotとGoogle AI Overviewsは、複数の会社を比較表や箇条書きで列挙する「候補リスト形式」の回答を返す傾向が強く、ChatGPTは地図アプリのデータを引用しながら地域の事業者を個別に紹介する回答スタイルが目立ちました。どのAIを重視するかによって、最適化の力点が変わってきます。
AIは何を根拠にしているのか
AIが根拠として引用していた情報源は、比較・マッチング系メディアが約28%、それ以外の第三者メディア(業態別の専門メディアや地図データなど)が約65%を占め、合わせて9割を超えました。内装会社自身の公式サイトはわずか約5%にとどまっています。
他業界(経営コンサル領域の調査では公式サイトが引用元の過半数)と比べても、店舗・オフィス内装工事の領域はAIの回答根拠が比較メディア・第三者記事に極端に偏っている点が特徴的でした。自社サイトの情報発信だけでは露出につながりにくく、比較メディアへの掲載状況が重要な要素になっていると考えられます。
まとめ:AI上の可視性は、これからの情報発信の前提になる
今回の実測からは、(1)上位への軽い集中と極めて広い裾野が共存すること、(2)質問者の立場(オフィス系か店舗系か)によって上位の会社の型が大きく変わること、(3)固有名を挙げる姿勢と挙げ方がAIによって大きく異なること、(4)AIの根拠は比較メディアなど第三者サイトが中心で、公式サイトの存在感は小さいこと、が見えてきました。
店舗・オフィス内装工事会社選びの入り口がAIに移りつつある今、自社がAI上でどう扱われているかを把握し、比較メディアでの掲載状況や自社サイトの情報発信を整えることは、これからの営業・広報活動の出発点になります。
詳細版レポート(無料ダウンロード)
本記事で触れた内容の詳細版として、以下を収録したレポートを配布しています。
- 会社別のAI登場率ランキング(全99社)
- 計測したプロンプト
- 質問者の立場別の上位会社
- 主要3AIごとの比較(どのAIがどの会社を挙げるか)
- 引用元ドメインのランキング
本調査に関する注記
- 本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定の内装工事会社の推奨や品質の保証ではありません。
- AIの回答は時点やモデル更新により変動します。本記事の数値・傾向は2026年10月時点のものです。
- 各社の具体的な登場率・順位・引用元ドメインなどの詳細は、詳細版レポートに収録しています。
