企業の本社移転担当者やスタートアップの経営者、総務部の担当者などが、オフィス仲介会社や移転支援会社選びについて検索エンジンではなく生成AIに直接たずねる場面が増えています。では、ChatGPTをはじめとする生成AIは、「オフィス仲介会社はどこがいい?」「移転支援サービスを比較したい」と聞かれたとき、実際にどの会社の名前を挙げているのでしょうか。
AI検索最適化(LLMO/AIO/GEO/AEO)支援サービス「AI検索パートナーズ」(TechSuite株式会社)では、主要3つの生成AI(ChatGPT・Google AI Overviews・Microsoft Copilot)に対し、オフィス仲介・移転支援会社選びに関して実際に検索される質問を投げかけ、AIの回答72件を実測しました。本記事では、その集計から見えてきた業界全体の傾向を紹介します。なお本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定のオフィス仲介・移転支援会社の推奨や品質の保証を目的とするものではありません。
この実測調査からわかったことは、次のとおりです。
- 業界最大手クラスの総合オフィス仲介会社(登場率29.2%)が突出する一方、観測された会社は128社にのぼり、上位5社でものべ言及の25.9%にとどまる。
- 質問者の立場(ペルソナ)によって上位の会社が大きく入れ替わる。
- 固有名を挙げる割合・社数はAIによって異なる。
- AIが根拠とする情報源は約58%が会社自身の公式サイトで、比較・紹介メディアも約36%を占める。
調査の概要(対象AI・質問・集計方法)
本調査は、オフィス仲介・移転支援会社選びに関して実際に検索されるような質問を主要3つの生成AIに投げかけ、AIが生成した回答を記録・集計したものです。質問は、本社移転を検討する企業の担当者、スタートアップの経営者、拡張移転を控えた企業の総務部、中小企業の総務担当者など、複数のペルソナを想定して設計しています。集計対象や時点は次のとおりです。数値はいずれも2026年10月時点のものであり、AIの回答は時点やモデル更新によって変動します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | AI検索パートナーズ(TechSuite株式会社) |
| 対象AI | ChatGPT / Google AI Overviews / Microsoft Copilot(主要3種) |
| 対象テーマ | オフィス仲介・移転支援会社選びに関して実際に検索される質問 |
| 集計対象 | 各AIが生成した回答 72件(24クエリ) |
| 調査時点 | 2026年10月 |
| 位置づけ | AIが生成した回答の記録に基づく集計(特定会社の推奨・品質保証ではありません) |
AIが名前を挙げる会社は、上位への集中と極めて広い裾野が共存していた
まず見えたのは、上位への一定の集中と、極めて広い裾野の共存です。最も多く名前が挙がったのは業界最大手クラスの総合オフィス仲介会社で、全72回答の29.2%に登場しました。僅差で、大手仲介ブランドが22.2%で続き、スタートアップ特化型の仲介会社・中小規模仲介の専門会社・外資系総合不動産サービス会社の3社が16.7%で並びました。一方で回答に登場したオフィス仲介・移転支援会社は128社にのぼり、上位5社でも、のべ言及の25.9%にとどまりました。
興味深いのは、観測された128社のうち約7割にあたる88社が、たった1回答だけの登場にとどまっている点です。「オフィス仲介・移転支援」という業界は事業者の裾野が非常に広く、AIが思い浮かべる会社の型も一様ではないことがうかがえます。各社の具体的な登場率・順位は、記事末尾の詳細版レポートにまとめています。
質問者の立場が変わると、AIが挙げる会社も大きく変わる
質問者の立場(ペルソナ)を変えると、上位の顔ぶれは大きく入れ替わりました。「本社移転を検討する企業の担当者」という設定の質問では、業界最大手クラスの総合仲介会社と外資系総合不動産サービス会社が上位を占めました。一方、「スタートアップの経営者」向けの質問では、スタートアップ・ベンチャーに特化した仲介会社が4割超という他のどの区分よりも高い登場率で最多となりました。
「中小企業の総務担当者」向けの質問では、中小規模のオフィス仲介に強い専門会社と業界最大手クラスの総合仲介会社が並んで最多となりました。質問者の企業フェーズ・規模と会社の専門領域の一致度が、AIの提示結果に強く影響しているように見えます。
AIごとに、「実名を出すか」の姿勢が違う
固有名を挙げる姿勢には、AI間で差がありました。ChatGPTは全回答で何らかの会社名を提示し、1回答あたり平均4.08社を挙げました。Microsoft Copilotも平均4.08社と多くの会社名を列挙しましたが、Google AI Overviewsは平均3.58社と、他の2AIよりやや少ない社数にとどまる傾向がありました。
特徴的だったのは、Microsoft Copilotの回答の一部で、質問の意図(全国的な仲介会社の比較)とは異なる、特定地域の地元不動産業者がGoogleマップ由来と見られる情報とともに提示されるケースが複数見られたことです。どのAIを重視するかによって、想定すべき「AIが見せる比較対象の範囲」も変わってきます。
AIは何を根拠にしているのか
AIが根拠として引用していた情報源は、約58%が会社自身の公式サイトで、比較・紹介メディアも約36%を占めました。
これは経営コンサル・特許事務所領域の調査結果とも共通する傾向です。会社自身が発信する情報がAIの回答の根拠として重視される一方、比較・紹介メディアの存在感も大きく、特にMicrosoft Copilotは引用件数そのものが他の2AIより大幅に少ないという特徴も見られました。自社サイトの情報発信の充実と合わせて、こうした比較・紹介メディアへの掲載状況も無視できない要素だと考えられます。
まとめ:AI上の可視性は、これからの情報発信の前提になる
今回の実測からは、(1)上位への集中と極めて広い裾野が共存すること、(2)質問者の立場によって上位の顔ぶれが大きく変わること、(3)固有名を挙げる姿勢と参照する情報の質がAIによって大きく異なること、(4)AIの根拠は会社自身の公式サイトが中心でありながら比較・紹介メディアも大きな存在感を持つこと、が見えてきました。
オフィス仲介・移転支援会社選びの入り口がAIに移りつつある今、自社がAI上でどう扱われているかを把握し、自社サイトの情報発信を整えることは、これからの営業・広報活動の出発点になります。
詳細版レポート(無料ダウンロード)
本記事で触れた内容の詳細版として、以下を収録したレポートを配布しています。
- オフィス仲介・移転支援会社別のAI登場率ランキング(全128社)
- 質問者の立場別の上位会社
- 主要3AIごとの比較(どのAIがどの会社を挙げるか)
- 引用元ドメインのランキング
- 計測した全プロンプト
本調査に関する注記
- 本記事は各AIが生成した回答の記録に基づく集計であり、特定のオフィス仲介・移転支援会社の推奨や品質の保証ではありません。
- AIの回答は時点やモデル更新により変動します。本記事の数値・傾向は2026年10月時点のものです。
- 各社の具体的な登場率・順位・引用元ドメインなどの詳細は、詳細版レポートに収録しています。
